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法人化を検討してみませんか?

2024.11.20

◆はじめに

みなさまの中で、賃貸アパート・マンション経営の法人化を検討された方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際にどのような場合に検討すべきなのか、ポイントをお話したいと思います。

 

◆法人化の主な効果

①所得税の軽減

多くの方が所得税の軽減を目的とされているのではないでしょうか。

個人の所得税は超過累進課税となっており、所得が増える程に段階的に税率そのものが高くなるため、税金の負担が重くなります。最高税率45%です。一方、法人の実効税率は資本金1億円以下で所得が800万円を超える場合で23.2%となっています。

例えば、個人の課税所得が900万円を超えると所得税率は33%となる為、法人税率の方が安くなる計算になります。

また、法人からご家族に給与や役員報酬を支払うことで一人に集中していた家賃収入を分散させる効果があります。各人が給与所得控除の適用を受けることで節税効果が得やすくなります。

 

②相続税の軽減

所得税の軽減に加え、相続税の圧縮効果も期待できます。個人が家賃収入を受け取ると、相続財産が増え将来支払う相続税も増加していきます。

例えば、お子様など次世代に役員報酬を支払うことにより、相続税の増加を抑制するとともに次世代が将来の相続税の納税原資を確保することもできます。また、生前贈与等を組み合わせることでその効果は更に高まります。

 

③認知症対策+事業承継対策

認知症・事業承継対策にも活用できます。個人で不動産経営をしている場合、所有者が認知症を発症してしまうと不動産賃貸経営に支障が出る可能性があります。

これらを回避する方法として、家族信託や任意後見制度などもありますが、法人化することにより仮に所有者が認知症になっても別の役員が継続して事業を継続することができます。

また、法人化を検討する際には、誰を役員とするか、法人を将来誰に継がせるか等、

家族内での話し合いが活発になることで事業承継の意識も高まります。

生前贈与や遺言書等、総合的な相続対策を実行するきっかけにもなります。

 

 

 

◆法人化を検討する主なきっかけと不動産賃貸経営について

一般的に、不動産賃貸経営を個人で始める方が多いのではないでしょうか。

法人化を検討するきっかけとして、収入は大きく変わらないが、支払う税金が増えてきたと感じる時期があります。建物付属設備の減価償却が主に15年で終わり、それに加えて借入に伴う支払利息が減少することが主な要因です。

また、1回目の大規模修繕や高額の修理費用が発生するタイミングでもあり、支出が増える時期にも重なります。

不動産賃貸経営においては、家賃収入や入居率が安定し、修繕費がかかりにくい当初10年から15年が資金の貯め時ともいえます。

将来的な家賃の逓減とは反対に、修繕費が増加していくのが不動産賃貸経営の特徴です。

従って借入をする場合は、元利均等返済ではなく、元金均等返済を選択することも一案です。

 

◆おわりに

法人化の効果はご家庭によって様々です。まずは、専門家へ試算の依頼をしてみることをお勧めします。場合によっては、少しでも早く実行することにより将来的なご家族の手残りが大きく変わる可能性もあります。また、今後の相続対策を検討するきっかけにもなりますので、これを機に一度法人化を検討してみてはいかがでしょうか。

弊社は、相続の分野に特化した税理士、司法書士等と連携しサポートを行っております。

いつでもお気軽にご相談ください。

 

筆者紹介

田ノ上 彰
福岡相続サポートセンター
上級相続支援コンサルタント

相続に関するお悩みやご相談内容は多岐に渡ります。ご家庭ごとに歴史があり、ご事情も様々です。みなさまの想いをお聴きし、次世代へと繋いでいけるよう、真摯に向き合い取り組んでおります。ともに考え実行し、一つでも対策を進展させることがとても大切です。まずはお気軽にご相談下さい。

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